機能性表示食品にしない、という選択肢|一般食品で言えることの範囲と判断のしかた

機能性表示食品にしない、という選択肢|一般食品で言えることの範囲と判断のしかた

新商品の企画会議で「機能性表示食品で出す」ことを前提に話が進んでいたのに、届出後の運用の話になった途端、誰が担当するのかが決まらない。食品メーカーの商品開発では、こうした場面に出会うことがあると思います。

機能性表示食品は、パッケージで機能を伝えられる有力な制度です。商品のコンセプトそのものが機能性表示を前提にしていることも珍しくありません。ただ、届出は受理されたら終わりではなく、2024年以降の制度改正で、届出後に毎年続く作業が増えました。

その影響が数字に表れたのが、2026年3月末を期限とした自己点検等報告です。対象の6,703件のうち、期限までに報告されたのは4,657件、撤回は1,847件(約27%)、未提出は199件でした(2026年4月15日時点)。

撤回には、販売終了や廃業に伴うものや、届出者と連絡が取れず撤回扱いになったものも含まれます。撤回された商品に安全上の問題があったという意味ではなく、毎年の報告を続けてまで機能性表示を維持する商品を、各社が選び直した結果と考えるのが自然だと思います。

では、届出をしないと決めた商品は、何をどこまで伝えられるのでしょうか。この記事では、届出後に発生する作業を確認したうえで、一般食品と栄養機能食品で表示できる範囲、体験談や試験データの扱い方、届出するかどうかを決めるときの確認点を説明します。


目次

届出したあとに続く作業が増えている

機能性表示食品制度は、2024年から2026年にかけて段階的に改正されました。変わったのは届出を出すまでの手続きよりも、届出したあとに事業者が担う作業のほうです。

なお、以下は2026年9月時点の情報です。今後も運用が見直される可能性があるため、届出や表示を検討する際は消費者庁の最新の手引きを確認してください。

健康被害の情報を受け付け、行政へつなぐ体制

2024年9月1日から、届出者には健康被害情報の提供が義務づけられています。その食品が原因、またはその疑いがあると医師が診断した健康被害の情報を得た場合、届出者は消費者庁長官と都道府県知事等へ速やかに提供しなければなりません。因果関係がはっきりしない症例も対象です。

この改正の背景には、同年に起きた小林製薬の紅麹関連製品の事案があります。私自身、ちょうど近縁種の研究開発に携わっていたころで、研究プロジェクトごとなくなるのではと気が気ではありませんでした。

届出者に必要なのは、消費者からの連絡を受け、医師の診断があるかを確認し、要件に当たれば行政へ報告する、という流れを回せる体制です。お客様相談窓口が受けるのか、開発部門が判断するのか、外部に委託するのかを、届出の前に決めておく必要があります。

パッケージ表示のルール変更

2024年8月23日公布、9月1日施行の食品表示基準の改正で、パッケージに書く事項も変わりました。「機能性表示食品」の文字を枠で囲んで主要面の上部に置くこと、機能性関与成分と表示する機能の対応関係を明確にすること、最終製品で試験をしていない場合は機能性が「報告されている」と分かる書き方にすること、などです。

医薬品ではないこと、疾病の治療や予防を目的としていないこと、医薬品との相互作用に関する注意も記載します。表示の変更には経過措置がありましたが、2026年9月1日から完全に適用されており、既存の商品を持つ企業では包材の切り替えが必要になりました。

届出時の要件と、新規成分のスケジュール

2025年4月1日からは、届出の要件も厳しくなりました。システマティックレビューで機能性を説明する場合、その報告はPRISMA 2020という国際的な報告ガイドラインに沿って書く必要があります。PRISMA 2020の位置づけは、こちらの記事で説明しています。

また、消費者庁がこれまで公表したことのない機能性関与成分を使う場合、届出の期限が販売予定日の60日前から120日前に延びました。新規成分では専門家への意見聴取も行われるため、新しい素材で差別化したい商品ほど、発売までの期間を長めに見ておく必要があります。

毎年の自己点検等報告

届出者は、届出のあと毎年、自己点検等報告を行います。確認するのは、安全性や機能性に関する新しい知見が出ていないか、製造と品質管理が届出どおりに行われているか、健康被害情報の収集体制が機能しているか、といった点です。2025年3月31日以前の届出は、2026年3月31日が1回目の期限でした。

期限までに報告がなければ、その届出は機能性表示食品としての要件を欠く扱いになります。そのまま機能性表示を付けて販売を続けると食品表示法違反となり、指示・公表の対象です。冒頭の未提出199件が、この扱いになった届出です。

サプリメント形状の商品にはGMPが必要に

錠剤やカプセル剤などの形状で、天然抽出物などを原材料とする機能性表示食品には、2026年9月1日からGMPに沿った製造が求められています。

GMP(Good Manufacturing Practice)
製造管理と品質管理に関する基準。原材料の受け入れから出荷までを、決められた手順と記録で管理する仕組み

対象かどうかは形状と原材料で決まり、飲料や一般的な加工食品の形状であれば直接の対象にはなりません。製造を委託している場合は、委託先の工場がこの体制を持っているかを確認しておく必要があります。

一つひとつは制度の信頼性を高めるための改正ですが、届出を維持するには、担当者の時間と社内の体制を毎年確保し続けることになります。


一般食品になると、何が言えなくなるのか

届出をしない商品は、表示の上では一般食品として扱われます。これまで機能性表示をしていた商品を一般食品に切り替える場合、どこまで書いてよいのかが曖昧になりやすいので、関係する法令ごとに見ていきます。

薬機法:医薬品のような効能効果

食品であっても、医薬品のような効能効果をうたうと、承認を受けていない医薬品とみなされる可能性があります。判断の枠組みは、厚生労働省の通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の別紙「医薬品の範囲に関する基準」に示されています。

この基準で医薬品的な効能効果とされるのは、大きく次の3つです。

  • 疾病の治療や予防を目的とするもの(「糖尿病、高血圧の人に」など)
  • 身体の組織機能の一般的な増強・増進を主な目的とするもの(「疲労回復」「体力増強」「老化防止」など)
  • 名称やキャッチフレーズ、成分や製法の説明、起源や由来の説明、医師の談話の引用などによって、効能を暗示するもの

広告やパッケージの担当者がつまずきやすいのは3つ目です。効能を直接書いていなくても、「古くから◯◯に用いられてきた素材」といった由来の説明や医師のコメントの引用によって、医薬品的な効能を暗示したと判断されることがあります。

判断には、成分だけでなく形状と用法用量も使われます。錠剤やカプセル剤の形状でも、食品である旨が明示されていれば、形状だけで医薬品と判断されることは原則としてありません。ただし「1日2〜3回、1回2〜3粒」のように飲む時期や間隔、量を細かく指定すると、医薬品的な用法用量とみなされます。

健康増進法・景品表示法:根拠のない効果表示

薬機法に当たらない表現でも、健康の保持増進の効果について事実と異なる表示や、実際より著しく優れていると思わせる表示は、健康増進法と景品表示法で規制されます。対象になる表示の範囲は、消費者庁の「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」に具体的に書かれています。

この留意事項でいう「健康保持増進効果等」には、疾病の治療・予防や身体機能の増強のほか、特定の保健の用途に適する旨、栄養成分の効果、美容や毛髪の健康に関する効果なども含まれます。広告の担当者は、薬機法の線を越えていないかに加えて、その効果を裏付ける資料が手元にあるかも確認しておく必要があります。

食品表示基準:保健機能食品と紛らわしい表示

一般食品のパッケージには、保健機能食品と紛らわしい名称や、栄養成分の機能、特定の保健の目的が期待できる旨を表示できません。「◯◯省承認」「消費者庁長官許可」のような表示はもちろん、マークの置き方やデザインで機能性表示食品やトクホのように見える場合も問題になります。

一般食品として出すなら、機能性表示食品だった頃のデザインを引き継がず、パッケージの見せ方そのものを変えたほうが安全です。

ここまでを、訴求したい内容ごとにまとめると次のようになります。

訴求したい内容一般食品での扱いの目安主に関係するルール
特定の疾病の治療・予防不可薬機法
疲労回復、老化防止などの一般的な増強不可薬機法
栄養成分の機能、特定の保健の目的が期待できる旨不可食品表示基準
由来、製法、成分の説明による効能の暗示不可と判断され得る薬機法
成分の含有量(数値)可(正確な値であること)食品表示基準
「高」「入り」「◯%アップ」など含有水準の強調基準を満たせば可食品表示基準(栄養強調表示)
原材料、産地、製法、規格などの事実可(正確で、誇張がないこと)景品表示法

実際の判断は、個々の言葉だけでなく、表示全体から消費者が受ける印象で総合的に行われます。この表は目安なので、個別の表現が適法かどうかは、所轄の行政機関や弁護士に確認してください。


一般食品のまま伝えられること

制限ばかり並ぶと、少し気が重くなりますね。ここからは、一般食品でも表示できることを確認していきます。

成分の含有量

含有量そのものは、事実として表示できます。食品表示基準に基づく栄養成分表示では、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の表示が義務で、それ以外の成分も基準に沿った方法で表示できます。

「この商品には◯◯が△mg入っています」という事実の提示は、効果の主張とは別のものです。たとえばヒアルロン酸のように、名前を聞いただけで多くの人が用途を思い浮かべる成分であれば、含有量を示すだけで関心のある人には十分伝わることがあります。

ただし、その成分が体の中でどう働くかの説明を添えると扱いが変わります。先ほどの「医薬品の範囲に関する基準」では、含有成分の説明による効能の暗示も医薬品的な効能効果に含まれるため、成分の働きには触れず、量の表示にとどめておくのが無難です。

栄養強調表示

含有量の多さや少なさを強調したい場合は、食品表示基準の栄養強調表示のルールに従います。強調できる成分と言い方は、次のように決まっています。

  • 補給ができる旨:「高◯◯」「豊富」(高い旨)、「◯◯入り」「◯◯源」(含む旨)、「◯%アップ」「2倍」(強化された旨)。たんぱく質、食物繊維、ミネラル類、ビタミン類が対象
  • 適切な摂取ができる旨:「ゼロ」「ノン」(含まない旨)、「低◯◯」「ひかえめ」(低い旨)、「◯%カット」「ハーフ」(低減された旨)。熱量、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウムが対象
  • 無添加強調表示:糖類とナトリウム塩に限って使える

他の食品と比べる「強化された旨」「低減された旨」には、比較の条件があります。比較対象の食品と、増えた(減った)量または割合を表示し、その差が基準値以上であることが前提です。そのうえで、たんぱく質と食物繊維の強化、そしてすべての低減表示では、比較対象との差が25%以上必要になります。

ナトリウムの低減には例外があり、みそは15%、しょうゆは20%以上の差で表示できます。また、基準を満たしていないのに文字の色や大きさで成分名を目立たせる表示は望ましくないとされているので、「高」「低」と書かなければよいとは考えず、パッケージ全体の見え方で確認してください。

原材料・産地・製法などの事実

原材料、産地、品種、製法、抽出方法、規格値は、効果の主張ではないため、正確であれば表示できます。ただし事実であっても、他社品より著しく優れているように見せる書き方をすれば、景品表示法の優良誤認が問題になります。比較を含む表現にする場合は、比較の根拠もそろえておきます。

飲料や食品の開発では、機能性を言えないと決まった時点で、訴求の軸を成分量と製法に移す設計がよく取られます。何が、どれだけ、どういう方法で入っているかを具体的に示すほうが、ぼかした機能表現より伝わることもあります。


届出のいらない栄養機能食品という選択肢

一般食品と機能性表示食品のあいだにあるのが、栄養機能食品です。国への許可申請も届出も必要なく、定められた規格基準に合っていれば、決められた文言で栄養成分の機能を表示できます。

対象は20成分で、n-3系脂肪酸、ミネラル6種類(亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム)、ビタミン13種類(ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、葉酸)です。カリウムは、錠剤やカプセル剤などの形状では対象外になります。

表示するには、1日当たりの摂取目安量に含まれる成分量が国の定める上限値と下限値の範囲に入っていること、機能は規格基準で定められた文言で表示すること、注意喚起などの義務表示を行うことが必要です。義務表示には、「本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません」という旨や、「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」の一文が含まれます。

ビタミンやミネラルを配合に組み込める商品であれば、届出の負担なしに機能の一部を伝えられます。反対に、独自素材で差別化したい商品には向きません。訴求したい成分が20成分に入っていなければこの枠組みは使えず、その成分の機能を伝えたいなら、機能性表示食品の届出を検討することになります。


体験談や試験データで補いたくなったとき

機能を表示できないとなると、次に検討されやすいのが体験談や研究データの活用です。どれも使い方によっては問題になるので、商品ページや広告を作る前に確認しておきます。

体験談と「個人の感想です」

消費者庁の留意事項は、体験談をねつ造したり、都合のよい体験談だけを選んで載せたりする表示を、不当表示に当たるおそれがあるものとして挙げています。効果のあった声だけを並べると、一つひとつは個人の感想でも、読み手は商品全体の効果として受け取ります。

体験談に「個人の感想です」「効果には個人差があります」と添える、いわゆる打消し表示についても、消費者庁は2018年にまとめた留意点で考え方を示しています。体験談を見た消費者は「たいていの人に効果がある」と受け取りやすく、打消し表示に気づいてもその認識はほとんど変わらない、というのが調査を踏まえた見解です。

そのため体験談を使う場合は、調査の対象人数や属性、体験談と同じような効果が得られた人と得られなかった人の割合などを、分かりやすく示すことが求められています。注意書きを足せば体験談を載せられる、という考え方は通用しないと考えてください。

論文データの引用

論文や学術データを引用する場合も、都合のよい部分だけを取り出す使い方は、留意事項で虚偽誇大表示に当たるおそれがあるとされています。たとえば、主要評価項目では差が出なかった試験から、有意差の出た副次的な指標だけを抜き出して紹介するような引用です。

さらに、一般食品の広告で研究データを使って機能を説明すれば、データの正しさとは別に、薬機法上の医薬品的な効能効果に当たらないかという問題が残ります。

自社でヒト試験をしている場合

自社でヒト試験を行い、良い結果が出ていることもあると思います。それでも一般食品である以上、パッケージで機能を表示することは食品表示基準で認められておらず、広告で機能を説明すれば薬機法などに抵触するおそれがあります。

こうしたデータは、表示に載せるより、社内外での判断の根拠資料として使うほうが活きます。商品開発の意思決定、取引先への技術説明、将来の届出の準備などです。取引先向けの資料については、それが消費者向けの広告に転用されないよう管理しておくことも必要です。

一般食品として出すと決めたら、表現を固める段階で、表現ごとに根拠資料を対応させておくと後の確認が楽になります。成分量なら分析の成績書、製法なら製造記録、比較表示なら比較対象品のデータです。対応する資料を用意できない表現は、その時点で候補から外します。

もう一つ確認したいのが、媒体ごとの表現のずれです。パッケージでは控えめなのに、LPや営業資料、展示会のパネルでは機能に踏み込んでいる、という状態はよく見かけます。どの表現をどの根拠で採用し、何を落としたかを記録しておけば、担当者が替わっても同じ判断を再現できます。広告表現の根拠として求められる資料の要件は、こちらの記事で説明しています。


4つの選択肢を並べてみる

ここで、一般食品、栄養機能食品、機能性表示食品、特定保健用食品(トクホ)を並べておきます。食品業界の方には見慣れた比較だと思いますが、届出や許可を取ったあとに毎年発生する作業の行を加えています。

一般食品栄養機能食品機能性表示食品特定保健用食品
言える内容成分量、原材料、製法などの事実。栄養強調表示は基準内で可規格基準で定められた栄養機能の文言届け出た機能性(成分と機能の対応が必要)許可を受けた保健の用途
手続きなしなし(規格基準への適合が必要)販売前の届出(新規成分は120日前)国の審査と許可
科学的根拠表示内容が事実であることの裏付け規格基準に依拠システマティックレビューまたは最終製品の臨床試験製品を用いた試験と国の審査
届出・許可後の年次負担なしなし自己点検等報告(毎年)、健康被害情報の提供体制許可の維持、健康被害情報の収集体制
対象の制約なし20成分に限定成分の研究の蓄積に左右される審査のハードルが高い
向いている商品事実の訴求で勝負できる商品、小ロット、テスト販売ビタミン・ミネラルを配合に組み込める商品機能表示が店頭や広告で必要な主力商品長期の投資ができる旗艦商品

届出するかどうかを決めるときに確認すること

届出するかどうかは、次の点を確認していくと判断しやすくなります。条件がいくつ当てはまるかより、自社の商品にとってどれが決定的かを見てください。たとえば研究の裏付けが足りなければ、ほかの条件がそろっていても届出は成り立ちません。

伝えたい機能を、成分の研究で裏付けられるか

機能性表示食品は、届出者が自ら科学的根拠を示す制度で、根拠の質は届出者の責任になります。最初に確認するのは、機能性関与成分についてヒトを対象にした研究がどれだけあるか、そしてそれらを集めて評価したとき、主要評価項目で同じ方向の結果が出ているかです。

この見通しが立たないまま届出の準備を始めると、費用をかけたあとで、言いたかった表現が根拠から言えないと分かることがあります。研究の集め方と評価の考え方は、システマティックレビューの記事で説明しています。

販路が機能表示を必要としているか

量販店やドラッグストアの棚で他社品と並ぶ商品なら、パッケージに機能表示があるかどうかが選ばれ方に影響します。一方、自社ECでの直販なら成分量や製法の説明で、BtoBの原料・OEM供給なら取引先向けの技術資料で、価値を伝えられる場合があります。

どの販路で、誰に、何が言えないと売れないのかを営業やマーケティングの担当者と確認すると、機能性表示が本当に必要かどうかを判断しやすくなります。

製造体制と発売スケジュールが合うか

錠剤やカプセル剤で天然抽出物などを使う場合は、GMPの体制が必要です。委託先の工場が対応していなければ、委託先の変更や形状の見直しまで含めて検討することになります。飲料や一般的な加工食品の形状ならGMP要件はかかりませんが、保存中の成分の減少など、品質保証の面で確認する項目が増えることもあります。

新規成分を使う場合は、販売予定日の120日前までに届出できるスケジュールかどうかも確認します。

届出後の作業を誰が担うか

自己点検等報告は毎年、健康被害情報の受付は常時必要です。担当者が一人で他の業務と兼務している体制では、報告の期限を逃すおそれがあります。期限を過ぎれば要件を欠く扱いになり、そのまま販売を続ければ指示・公表の対象です。

商品をリニューアルすれば変更届が、販売を終えれば撤回の手続きが必要になり、データベース上の販売状況の更新も続きます。包材の改版を含め、発売から終売までの作業を誰がどの予算で担うのかを、届出の前に決めておくことをおすすめします。


まとめ

冒頭の企画会議に戻ると、届出後の担当者が決まらないという状況そのものが、届出するかどうかを考える材料になります。

機能性表示食品は、機能を伝えるための有力な制度です。ただ2024年以降、健康被害情報の提供、毎年の自己点検等報告、形状によってはGMPと、届出を維持するための作業が増えました。2026年3月期限の報告で約27%が撤回に至ったのは、こうした作業まで含めて制度を選ぶ時代になったことの表れだと私は考えています。

届出しない場合でも、成分量や基準を満たした栄養強調表示、原材料や製法といった事実は伝えられますし、対象の20成分であれば栄養機能食品という方法もあります。その一方で、機能の表示や暗示、体験談の見せ方には、一般食品ならではの制限があります。

ご相談を受けていると、機能性表示を取るか取らないかの2択で考えている事業者さんが多い印象です。実際には選択肢にもう少し幅があるので、伝えたい機能が研究で裏付けられるか、販路がその表示を必要としているか、製造体制とスケジュールが合うか、届出後の作業を毎年回せるかを、商品ごとに確かめてから決めてください。


自社商品で伝えたい表現が研究で裏付けられるのか確認したい。一般食品として出す場合に、どこまでの表現なら使えるかを整理したい。eSTEM PLUSでは、こうしたご相談を承っています。法的な最終判断が必要な場面では、弁護士と協働して対応することもできますので、商品の企画段階でお気軽にお問い合わせください。


参考文献

機能性表示食品制度の改正と届出後の義務

  1. 消費者庁「機能性表示食品の今後について」  改正の全体像(健康被害情報の提供義務、表示事項の見直し、自己点検等報告)の根拠  https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/assets/food_labeling_cms205_250128_01.pdf  【要確認】旧記事では「2024年8月」と表記していましたが、URL中の番号(250128)は2025年1月28日付を示しているように見えます。資料の日付をご確認ください。
  2. 消費者庁「機能性表示食品の届出等に関する手引き」制定 令和7年3月25日(消食表第273号)、一部改正 令和7年10月1日(消食表第711号)  PRISMA 2020準拠、新規成分の届出期限120日前、自己点検等報告の根拠  https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/notice/assets/food_labeling_cms205_251001_41.pdf
  3. 消費者庁「【食品関連事業者向け】機能性表示食品の届出について」  届出・撤回・自己点検等報告の手続き、GMP自己点検表の案内  https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/notice/
  4. 消費者庁「機能性表示食品について」  制度の概要  https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims
  5. 食品表示基準の一部を改正する内閣府令(令和6年8月23日内閣府令第71号)  表示事項の見直しと施行日の根拠  https://hourei.ndl.go.jp/simple/detail?lawId=0000165524
  6. 消費者庁「食品表示基準の一部改正について」消食表第770号、令和6年8月30日  パッケージ表示の変更内容と経過措置の根拠  https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms205_240830_05.pdf
  7. 消費者庁「機能性表示食品等の制度改正概要及びGMP実施状況について」2025年7月  GMP要件の対象と適用時期の根拠  https://www.pref.nara.jp/secure/327279/siryou5.pdf  【要確認】奈良県サイトに掲載された資料です。消費者庁サイト上の原本があれば差し替えを推奨します。

自己点検等報告の結果

  1. 通販通信ECMO「『点検・報告』怠った機能性表示食品199件に…消費者庁、販売状況を調査中」2026年4月16日  対象6,703件、報告済み4,657件、撤回1,847件、未提出199件、撤回に廃業・連絡不通を含むことの根拠  https://www.tsuhannews.jp/news/detail/75460
  2. NHK「機能性表示食品 約27%が撤回届 自己点検報告の義務化で」2026年4月17日  撤回率約27%の報道  https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015101091000  【要確認】今回の照合ではページを確認できませんでした。リンク切れでなければ維持、確認できなければ削除候補です。

一般食品で表示できる範囲

  1. 厚生労働省「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」薬生発0331第33号、令和2年3月31日(別紙「医薬品の範囲に関する基準」)  医薬品的な効能効果の3区分、形状と用法用量の考え方  https://www.mhlw.go.jp/content/000658257.pdf
  2. 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」制定 平成28年6月30日、一部改定 令和4年12月5日  健康保持増進効果等の範囲、体験談・学術データの不適切な使用  https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/assets/representation_cms213_230131_01.pdf
  3. 消費者庁「打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点(実態調査報告書のまとめ)」平成30年6月7日  体験談と「個人の感想です」の打消し表示に関する考え方(新規追加)  https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_180607_0004.pdf
  4. 消費者庁「栄養成分表示について」  栄養成分表示の義務項目  https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/
  5. 東京都保健医療局「栄養成分表示(栄養強調表示)」  栄養強調表示の種類、相対差25%の対象、みそ・しょうゆの特例、無添加強調表示の対象  https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_eiyou_kyouchou.html
  6. 東京都保健医療局「栄養成分表示(栄養機能食品)」  栄養機能食品の対象20成分、表示の条件と義務表示  https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_eiyou_eiyoukinou.html

訴求表現の整理を進めたい

サービスに関するご相談は、こちらよりお問い合わせください。

参考になったらシェアをお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次